電話でのご予約・お問い合わせはTEL.011-221-7363
午後6時−深夜0時30分 日曜定休
〒060-0063 札幌市中央区南3条西3丁目 克美ビル4階
2011年に病を得た後も「百歳で現役」を目指して養生と摂生に努めてまいりました BARやまざき店主、父 山崎達郎が今秋 逝去して はや ひと月が経ちました。
いつでも仕事に戻れるよう店を守りつづけたスタッフの奮闘と 店主不在のときにもご愛顧くださったお客さまのおかげで店を続けることができ、治療が奏功し体調回復した父は仕事復帰が叶いました。その後も足元の悪くなる冬期にお休みをいただきながら、昨年秋までは定期的にカウンターに立ち、今春以降は体調の良いとき店に顔を出すことを楽しんでおりました。またその間、この5年にわたり、ほとんどの期間を病院ではなく家で過ごし、さいごも家族と医療関係者に看守られながら自宅にて眠りに就くことができましたのも、関係する皆様の愛情とご尽力のおかげと家族一同深く感謝しております。
また、「身内だけで速やかに葬送のこと」「香典・供花・供物の類固辞のこと」「お別れ会等一切不要の事」等々、勝手とも苛烈とも思える故人の遺志を、関係する皆様が温かく受けとめてくださったことは、残された者にとってほんとうに有難く心より感謝申し上げております。
いまも家におりますと父が二階の自室からトントンと降りてきても不思議でないように感じます。「なんだか山崎さんがふらりと店に顔を出しそうな気がするね」とおっしゃるお客さまも少なくないとのことです。いまとなっては推し量ることしかできませんが、父自身の真意もあるいはそんなところにあったのかもしれません。盛大な葬祭催事で自分の時代にはっきりピリオドを打たれるより、亡くなったことさえふと失念した私たちの心の中で生き生きと当たり前のように存在していることのほうがずっといいなぁ、というような・・・。
東京五輪の年に100歳を迎えるはずだった父にとって、意志半ばで亡くなるのは残念なことだったに違いありません。それでも もしオリンピックを過ぎてもなお このBARやまざきで 父の愛したスタンダードやオリジナルの作品をお客さまが楽しんでくださっているとしたら、それは父にとって次善の幸であるにちがいありません。そのためにも残された私たちがこの店を守り、お客さまに愛される日々を重ねてゆかねばなりません。
「やまざきが変わらないと言われるのは、いつも時代に合わせて少しずつ変わってきたからだよ」と父は常々申しておりました。そして90代になっても言っていました。「大切なのはこれからのことだ」と。
それらの言葉を心に留め、少しずつ変わりながら、変わらぬ やまざきの良さをしっかり守ってゆきたいと思います。これからもどうぞ末永く、父が育てたBARやまざきと弊店スタッフをよろしくお願い申し上げます。
2016年12月4日 心からの感謝と共に
家族を代表して 株式会社やまざき 代表取締役 山崎陽一郎